8月31日へ

初の大型ロジ、お疲れ様でした。

本番一週間前に応援として入って、人間関係を構築できていない場で働くことの手探り感と、自分の役割が明確化されていない中でバリューを出すことの難しさを改めて感じましたね。

何百人規模の事務局で細かく班分けされているなか、キーパーソンは誰なのか、どこをどう押せば仕事を進められるのか、新しい人々の渦の中から次第にキーパーソンを特定し、自分の名前と存在感をだんだん出して行くのは、もどかしさもあり楽しさもありました。どの席に座るかは結構重要で、周りの会話を聞き取って断片的に状況を把握しつつ、それと同時に雑談と笑顔で近くの席の人と関係を構築し、場に馴染んでいくことの効能も改めて感じました。次の仕事を頼まれるかどうかは、雑務でもよくわからない作業でも前向きに素早く対応していく積み重ねが大事だと思って、ある程度それはできたのではないでしょうか。

他方、自分の役割を見つけて今回の行事に貢献するまではできなくて、あくまで組織のヘルパーのまま、コトに対するバリューを提供するまでには至らない一週間でした。自分から仕事を取りに行きたいと思っていたけれど、ぱらぱらとした作業を拾うばかりで、どう貢献しようか考えられないまま、右往左往しながら場当たり的に仕事していました。

 

この組織のイベントは、サブスタンス(外交的成果)とロジスティクス(人の動線、車列、宿舎とかとか)にざっくり分かれていて、偉い人がたくさん参加すると、どんどんロジスティクスが複雑になっていきます。この世界は厚遇がそのまま相手への敬意を意味するという儀礼があって、待たせる、間違えさせてしまう、要望に応えられない等の接遇の失敗は、相手を軽んじていると読み替え得るので、円滑な進行というものがロジスティクスの大きなミッションです。多数の偉い人が様々な動きをしている状況で、すべてを同時に円滑に進行させることは、大きなパズルであり、中枢の瞬間的な判断であり、個々人の現場での対応力であり、すべてうまくいったときの快感はさぞ大きいのだろうという場でした。

そうした現場の一端で細かい作業を埋めていくことは、未経験の初参加という立場からは勉強にはなったけれど、まだ下働きマインドがどこかにあって、自ら想像力を巡らせたり、マズイと思う部分を発見してケアしたり、任された作業の外から全体を眺めてバリューを出す、ということはできませんでした。

 

ロジスティクスでバリューを出しきれなかったという反省とともに、この1年のなかで最大の悩みである、サブスタンスに関わりたい欲求を満たせない不快感をやっぱり今回も抱いてしまいました。ずっとサブスタンスをやりたくて、でも私にはそのマンデートが与えられていないという事実があって、組織労働上、個々人は自分のマンデートの中で役割を果たさないといけないのに、与えられていないマンデートを欲してしまう。今自分に振り分けられているマンデートのもろもろの作業で手一杯だから、そしてもろもろの作業も全体にとっては必要だから、ないマンデートにまで手を伸ばしたら組織労働が成り立たない。そして、年次で機械的に与えられたマンデートだから、もう少し経てばやらせてもらえる日が来ることも、頭では分かっている。でもどうしても心情的には、自分の能力が認められていないと感じてしまって、寂寥感を振り切ることができません。

組織上、マンデートのない人、付加価値を出せない人に機微な情報を共有する意義はない。だから情報が入ってこなくて知的好奇心が満たされない。議論とか思考とか好きな仕事に参加させてもらえない。

ここに不満を持ってしまう点、与えられたマンデートの中で淡々とミッションを果たすことにつとめていられない点は、この組織とそぐわない自分の性質だけど、それ以外の組織の性質にはだいたい適応できてる気がするし、いつかやれるかもしれないサブスタンスがやりたすぎて今は辞めることは考えてません。(何回か辞めようかと思ったけど)

まあここの自分の感情コントロールは、できなさすぎて春頃いったんかなり闇堕ちして、あまりにも悩みすぎて精神的に不健康になったので、とりあえずどうにもできない自分の性質ということで整理しました。(それ以外で前向きに解決するすべがあったら知りたい)

と言いつつ今回も顔を出しました。まあ私以外私じゃないのらしいからお別れできない自分の一側面として受け止めるしかない。

 

こんなあたりがだいたいの今回の総括コメントと自省ですが、付随的に今回興味深かった部分を振り返ると以下の通り。

・現場のインフラという意味で紙ファイルやっぱ大事だった 

 関係者の連絡先とか、本日の動きとか、なんでもかんでも資料に整えて、紙に印刷してファイルを抱えて現場で右往左往するという文化があるけど、やっぱこの文化は必要悪だった。独自のクラウド化も結構進んでるけど、秒単位で場当たり的に諸々現場で動くにはやっぱりいちいちデータ検索してられないし、重いからと置いてきてしまった時に不便だったりした。

・外から見ていた事務局の中の人になった気持ち 

直前一週間に参加するまでは、外から今般の事務局を見ててなんだこのカオスと思ってたけど、中に入るとカオスになる理由もなんとなく分かった。忙しすぎて情報量が多すぎて、ちゃんと整理したり想像力を働かせれば、不必要なこと、やらなきゃいけないことを考えることもできるけど、よっぽど頭の回転が早くないと普通は知恵と判断が回らない(恐ろしいことにできる人もいる)。結局わりとみんな無駄に体力と瞬発力があるから、あんまりプロセスが詰まってなくても乗り切れてしまうんだなあと。

・話しやすい環境はやっぱ大事

明らかに重要な情報はよく知らない人にも共有できるけれど、大したことないかもしれない情報や相談はためらってしまうことままあり。そうなると仕事の進みも遅いし、確認不足でやり直しとかも発生して、結果非効率。自分が話しかけられるようになる環境はわりとアタシ整えれるんじゃないと今回思ったけど、他の人が私に話しかけやすいようにあんまりできてなくて、特に「よくわかってない人、この人と話すと時間が取られてしまうかもしれない人」に対してオープンでいられるようになろうと思いました。そっちの方が結果オーライだし、自分が今まで巡り合ってきた素晴らしい上司・先輩たちへの恩返しにもなる。とは言えあんまりなんでもかんでも付き合うと自分の仕事ができなくなる面もあるので……できる範囲でフィードバックしてその人の精度もあげられるようになりたいと思いました(偉そう)。瞬間的な自分のタスクより、総合的な処理能力の方が優先度上!そう!

・組織に貢献するのか、コトに貢献するのか

これは全然二項対立じゃないんだけど、自分の性質にいま前者しかなくて後者が弱く、だから問題発見能力とか低い。組織の中で明確になっている作業はぶっちゃけ他の人にもできるから(人手が足りないとかで私にも存在価値があると思いたいけど…)、自分にしかできないことが今あんまりなくて、歯車に甘んじてしまっている。後者の能力をあげていきたいんだけどあげたいと思ってるだけで行動に移していない…昔から積み残してる宿題。

・好きな人がいなくても仕事できるか?

学生時代に「好きな人がいるやつはよく働く」という金言を残した友人KSGを思い出しつつ、恋愛感情じゃなくて人間としての好意であっても、組織貢献傾向の強い私はやっぱ好きな人ないし憧れの人がいるとよく働く。実は来週、社会人になってからずっと仕えてきた大好きかつ死ぬほど優秀で憧れの上司が異動になってしまうので、来週以降の自分のテンションがちょっと不安。今の課はほかの上司・先輩もかなり好きだからどうせ大丈夫なんだけど、今回1週間見知らぬ人々の中で働いてみて、好きな人がいなくても120%働けるかという懸念が再燃。尊敬できる/学びたい人が1人でもいればまあまあいけるんだけど(幸い今回いた)、やっぱ自分のパフォーマンスをコントロールする意味でも、組織貢献に偏りすぎずるのは危険。コト貢献タイプになりたいというかそっちを志向できる能力を上げたいなと、同じ課題に再帰しました。


以上、お疲れ様でした!これからもがんばりましょう。